冬と云ふ口笛を吹くやうにフユ 川崎展宏 『春 川崎展宏全句集』(ふらんす堂)より 俳句を始めて1〜2年、まだ大学生で結社にも入らず、月1回のサークルの句会と他大学の句会に時々出ていた頃だからもう20年は前。 サークルの先輩が、OBが所属している俳句同…
時々辞書を引きながら読んだ。 こんな単語あるんですね!と素朴にへええとなることも多く。 お仕事にびっくりした。 炎昼を来てポンペイの茹卵 老境をキケロに学ぶ夜長かな 若冲の鳥を身頃にアロハシャツ 信長を今も憎んで伊賀の野火 さざなみは湖魚のゆりか…
ふらんす堂の百句シリーズ、色々出ているなあと思っていたら判型が他とちょっと違うものが出ていた。 正方形に近くてちょっとサラッとした紙質の表紙、ラメ感も好き。 もっと分かりやすく激情〜っていう句を作る人なのかと思っていたら、意外と薄味の優しい…
https://t.co/eLWUYEPEPt — Daisuke IKOMA (@dwsk_w) 2024年10月21日 このスペースの開催予告を見て、読んだ状態でこれを聴きたい、と思ったので読んでみました。スピーカーのおふたりが15句選をされていたので私も真似。 7〜8年前ぐらいに当時ハマっていた…
あくまでメモなのですが。 老鶯のご機嫌と言ふほかはなく 東あふひ 連衆の先頭に立つ作家に贈られる「童子賞」も受賞し、波に乗っている作者。確かに老鶯にはこう思わせるところがある。手放しでゆったりと感心し、それ以外のことは言わない潔さが句を強くし…
櫂未知子は私にとって俳句界における椎名林檎である。 要するに、その活動初期は大変かぶれたし大変世話になったので恩義を感じている。ただ現在はその活動や作品を手放しで楽しんだりするのは色々な意味で難しい、という意味で櫂未知子と椎名林檎を私は同じ…
割と時間があったので、句集をテンポよく読むことにしました。半年に1回ぐらいこういう気持ちになります。 『九竅』はきゅうきょうと読むらしい。「人間や哺乳動物の身体にある九つの穴」。そうかあ。 結構雪の句が多くて、やはり新潟出身だからなのかな。 …
なんとなく気になっていた作者。最後の句集『山稜』も同じ時期に買ったのですが、とりあえず第二句集のこちらを読みました。 最近の句は書き下ろしましたってあとがきにさりげなく書いてあってすごい。句集は大半は誰かひとりでもいいと公に言ってくれた句じ…
「天為」で有馬朗人に師事していた作者。「パピルス」にも所属しているとのこと。「天為」、端正で知的な書き手が多くて結社誌を読むと楽しいんですけど、『初葉』はまさに「天為」の良さが凝縮された句集だなーと思いました。 装丁と栞紐のブルーが素敵。カ…
「逆光」と「デートつて」の2作、合計10句出してます。よろしくどうぞ!参考にしてもしなくても全然大丈夫なんですが、プレイリスト作ったんで興味ある人は聴いてってください。ネプリは18日までですが、プレイリストは気が済むまで置いておきます。 「逆光…
原爆投下直後の広島で結社「廻廊」を立ち上げ、「戦後の広島に文芸の太い根を下ろした」(本文より)俳人・杉山赤冨士。 私はこの本で初めてその存在を知ったのですが、戦時中の句で戦局への微かな違和感を匂わせる句があったり、師事した虚子と後年距離がで…
「連句新聞」2024年春号に「連句人の友人がいる俳人です」というコラムを書きました。 普段は俳句をやっている自分の、今の連句との付き合い方をざっくばらんに書いています。 Twitterで知り合って仲良くなった人が連句を頑張ってやっていて、その縁で自…
今年もよろしくお願いします。地震で被災された方、お見舞い申し上げます。 自分の読書メモとして使っているので更新しました、という告知は特にしませんが、時間があって気になったら読んでください。 がまの穂と答ふがまの穂かと問はれ 小澤實の〈「はい」…
金縷梅や余りし時間あたたかき 濡れながら小鳥のくぐる時雨虹 能登に入り停車時間の刈田風 結ぶこと数かず加賀の年用意 雪吊りや毀すと決めし家に住み 旅支度七草椀を置いてより 小寒のたたむタオルの白ばかり 討死と書かれし墓標雁渡る 花活けて孤島のごと…
俳句は可愛くなければならないかもしれない〜箱森裕美『鳥と刺繍』〜 - てふこよもやま この記事で触れている読書会の準備中、あ、この句集を読むなら今では?と思い読了。 『鳥と刺繍』が特に影響を受けているんだろうなと思った句はこのあたり。 繰り返し…
※こちらは、以下の読書会のレジュメとして書かれたものです。ご興味がありましたら聞いてくださると嬉しいです。 【第2回 #句集読書会 のお知らせ】 11月12日(日)21時〜、箱森裕美句集『鳥と刺繍』を読むスペース配信を、@paststrangerから行います。お気…
キングオブコント、今年も面白かったですね。 広島にいたのですが夜はホテルでビール飲みながら観ました。 どのコンビも面白かったですが、去年からや団のコントが好きなので 「はーやっぱりすごい……」ってなりました、特に。 あの灰皿ゴトゴトゴト……ってい…
下萌や一弾となる騎手と馬 同姓のまた呼ばれをり春の風邪 親方の来て剪定の華やぎぬ 春寒し抜歯のガーゼ強く噛む 凩や店の名前に灯が入る 「都市」所属、第一句集。工場を描くことで現代の労働を外から描いている。 (2023年・朔出版)
ご縁があっていただきました。 面白いんじゃないかな、と思っていたら本当に面白かった! 『軟体動物』(牧羊社、1991) 足の裏掻いて淋しき月夜かな 春夕焼チューインガムの噛み疲れ 夕焼けの空を翔けたき産後かな 肛門の存在感や寒の入 紅梅や吸はれて乳の…
あなたにとって大事な作句の場所はどこですか?と聞かれたら、多分サッカースタジアムって答えると思います。 スタジアムの中っていうか、周辺で作った句も多いです。これはここで作ったよ、という自分用のメモを兼ねて。 ※呼称は2023年6月現在のものです ※…
新しい句集が出たので、おさらい! 作り方に癖がなくてどんな題材でもさりげなく詠んでいるのがすごい。 野球の句がちょくちょくあって、どれもあんまり緊迫してなくて好きでした。 父と子が母のこと言ふプールかな 春の野に出でて棒読みのオフィーリア かな…
コントは以下公式チャンネルよりご覧ください。「パフェ」https://t.co/91SFEnU6mO「関 健 ~夏祭り大乱舞篇~」https://t.co/xaQSANmkg4「田舎の家族」https://t.co/L3m98HShOB「火事」https://t.co/rZj84kpnkN#コントde短歌選者=東直子・水野葵以締切=20…
『しふくの時』は「短歌研究」の新人賞発表号の際にTwitterで話題になっていて知った。所属結社でもいい歌を発表されているようだったので気になっていたが、新人賞の連作が本のかたちで読めると知ってTwililightにて購入。このレジュメは、友人たちと『しふ…
再読。ご縁がありまして家にあったものです。 ラグビーのぶつかつてゐる虚空かな ラグビーの句、詠むのも読むのも好きです。 観るのが好きだったら詠みやすいんだけどなあ……。 具体的な何かではなく、プレー中の雰囲気というか漂っているものを詠んでいると…
春めきて初校版ズレ激しかり 凸版印刷Y氏陽炎より来たる うららかや原稿取りに伊東まで 白梅の今日は出張校正に スクリーントーンのやうな春霞 明朝もゴシックも好き梅日和 目借時表紙はマット加工なり 啓蟄のどうもデータが開けぬと キスシーン長きマンガや…
とつぜん読みたい短詩のネプリの話をしても良いですか?次のテーマのネプリが読みたいです・女子校の王子様・ロボットとわたし・平日のフードコートBL — みやさと (@paststranger) June 5, 2022 友達がこういうことをつぶやいていて、ふーんと思って7句作り…
俳句友達の一部で流行っていたので読みました。遅ればせながら十句抽きます。 (『ハイデルベルヒ』と前書きあり) 学校をなまけて春の山にくる ゆれ合へる甘茶の杓をとりにけり (『ハイデルベルヒ』と前書きあり) 枝かへてまださくらんぼ食べてをる 大い…
2021年の自分にあった一番大きな変化は、芸人さんのラジオを聴いたり生まれて初めて(たぶん)お笑いのライブに行ったりするようになったこと。最初にハマったのが空気階段でした。KOC面白かったなあー。 彼らのYouTubeに上がっているコントの中で(全部観て…
浴身に氷片ふくみ夜の蟬 藤の雨足袋穿きしめて土不踏 書き更けて旅ゆくごとき足の冷え 闇よりも暁くるさびしさ水無月は さきみちてさくらあをざめゐたるかな 以下の句に「高橋悦男君、高き木へ登り揺すりて落とせしを」という前書きがあってびっくり。大学時…
先日、ある結社のお招きで津田清子について発表してきました。学生の頃に『証言•昭和の俳句』(おもしろいです!おすすめ!)で彼女のインタビューを読んで、句も生き方も潔くて素敵!と思っていたのですが、なかなかその後深く読み込む機会がなかったんです…