てふこよもやま

俳句を詠んでいる松本てふこが書いています

高野素十『初鴉』

俳句友達の一部で流行っていたので読みました。遅ればせながら十句抽きます。

 

(『ハイデルベルヒ』と前書きあり)

学校をなまけて春の山にくる

ゆれ合へる甘茶の杓をとりにけり

(『ハイデルベルヒ』と前書きあり)

枝かへてまださくらんぼ食べてをる

大いなる雲の出できし花野かな

生つてゐる梨の形になつてきし

火曜日は手紙のつく日冬籠

街路樹の夜も落葉をいそぐなり

枯蔦に雪柔かにひつかゝり

この度は音のしてふる霰かな

水仙に風見えそめて佇めり

 

客観写生を提唱する結社にいるのでもっと早く読んだほうがよかったのでしょうが、

なかなか手が出ませんでした。

今読むくらいがちょうどよかった気がします。