てふこよもやま

俳句を詠んでいる松本てふこが書いています

成瀬正俊『成瀬正俊集』

再読。ご縁がありまして家にあったものです。

ラグビーのぶつかつてゐる虚空かな

ラグビーの句、詠むのも読むのも好きです。 観るのが好きだったら詠みやすいんだけどなあ……。 具体的な何かではなく、プレー中の雰囲気というか漂っているものを詠んでいるところがいいですよね。

星空へたちあがりたる橇の御者

作画・入江亜季で思い浮かびました。 あの緻密なペンタッチで見上げるような構図で描いてほしいなーなんて。

春の炉火笑ひ崩れしごとくなり

和やかさの描き方としていいなあと思う。 こういう解釈って、緊張していたり嫌なシチュエーションに放り込まれていたらできないなと。

緑とは暮れきらぬ色白夜の野

ロマンチック!!!!!!

梅の香のただよふほどの風はあり

「ただよふ」にはわずかな風が必要、という発見が面白い。

踊の句作りつづけて阿波にあり

あ、また「あり」の句を取った。 作ってたらいつの間にか阿波来てましたわ〜アッハッハっていうテンションなのが好きです。 頑張って俳句を読んだり鑑賞するのにちょっと疲れた時に読みたい一冊。 この句集は自註現代俳句シリーズなんですけど、判型と手軽さが大好きです。