てふこよもやま

俳句を詠んでいる松本てふこが書いています

仲寒蝉『全山落葉』

今年もよろしくお願いします。地震で被災された方、お見舞い申し上げます。

自分の読書メモとして使っているので更新しました、という告知は特にしませんが、時間があって気になったら読んでください。

がまの穂と答ふがまの穂かと問はれ

小澤實の〈「はい」と言ふ「土筆摘んでるの」と聞くと〉と思い出した。この土筆の句で「はい」って言ってるのが如月真菜さんだというのは私の結社「童子」では有名な話です。

噴水の昼を押しとどめてゐたり

白魚や死ぬとは濁ることにして

八月といふ大いなる傘の中

白靴の似合ひさうなる遺影の父

(「ウクライナ」の前書き)

地下壕へ少女スケート靴持つて

掘炬燵にて書く死亡診断書

何回か句会でご一緒したことがあるのですが、とにかくうまい人ですよね。そして推敲の跡がない。多作なのもすごい。10年間で4万句から選んだっていうのもすごい。

第2句集のことを具体的に考えたくなってきたのですが、やっぱり300句は欲しいよなあ。今年は句会にちゃんと出なきゃダメだな。

(2023年・ふらんす堂